HAYABLOG

音楽を中心に、新曲、新著、気ままに書く雑記

『君の膵臓をたべたい』のガチネタバレと感想

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今まで本を読んで泣くことがなかった僕ですが、

 

君の膵臓をたべたい』を読み終わると、自然と涙が溢れました

 

 

気をてらい過ぎたタイトル負けした作品だろう」という思いと、ありがちなラブストーリーという偏見から読むのを避けていた作品なのですが、もっと早く読めば良かったと今は後悔しています。(読んでもない本に偏見とか持っちゃダメだな!)

 

もう今は脳みそが「キミスイ」でいっぱいで、この感動を吐き出さないと何にも手がつかない状態です

 

ぜひ多くの方に読んでほしいので思いの丈をぶちまけたいと思います。(ネタバレと感想がメインです)

 

 

 

あらすじ(ネタバレ無し)

ある日、高校生の僕は病院で一冊の文庫本を拾う。タイトルは「共病文庫」。それはクラスメイトである山内桜良が綴った秘密の日記帳だった。そこには、彼女の余命が膵臓の病気により、もういくばくもないと書かれていて___。

引用元:『君の膵臓をたべたい』裏表紙より 

 

主人公の志賀春樹は根暗な男子高校生

山内桜良は余命1年と宣告されるも、明るくイケイケな女子高生。

 

ひとことで言えば、

 

「膵臓の病気」という秘密で結ばれた2人の青春物語、という感じ

 

でも厳密には青春物語では収まらないくらい濃い内容です

 

 

 

なんとも言い切れない二人の関係性

性格も趣味も、スクールカーストも対照的な二人。しかし「膵臓の病気」という秘密が二人を繋ぎとめる。正反対に位置する二人は次第に惹かれ合っていく

 

僕らの方向性は違うと、彼女がよく言った

当たり前だった

僕らは、同じ方向を見ていなかった

ずっと、お互いを見ていたんだ

君の膵臓をたべたい』P.297

 

二人の関係を表すのに最適な表現はこれかなぁ。むずかしい

 

 

アンドロギュノスと「君の膵臓をたべたい」

『君の膵臓をたべたい』を途中まで読んで、とあるギリシャ神話を思い出しました

 

遠い昔、人間の男と女は背中がくっついていたが、ゼウスによってその身を二つに引き裂かれた。それ以来、かつての分身を求めて人間は恋をするようになった__。

 

「アンドロギュノス」という人間の祖先の話

 

『キミスイ』に出てくる二人はその関係に似てると感じました

 

二人は分身だからこそ、この世では性格も行動も対照的。

もともと一つだったからこそ、惹かれ合っていく。

 

17年、私は必要とされるのを待っていたのかもしれない

僕は彼女と出会うために生きてきた

 

終盤にでてくる二人の台詞ですが、ここら辺で胸がキュ〜ってなって「まだ泣くな...まだ泣くな...」と自制をかけるのが精一杯でした...。

 

 

じれったさの積もりが最高潮になったとき...(ネタバレ) 

じれったく感じる場面はいくつも有ります 

 

  • 惹かれあっているのに2人とも「好き」と言わない
  • 自分のことどう思ってるか?と訊けない
  • キスしそうになるけど、押し倒したけど何も起こらない
  • 一緒の部屋に泊まったのに何もしない
  • 入院中だから二人でお出かけできない

 

 読みながら「アーーーーッッ!」って、じれったい感情が積もりに積もって  

 

やっと彼女が退院だ。外出できるね!」ってときに

 

彼女が通り魔に殺されちゃうんですよね。

 

不意の展開に追いつけず、胸にポッカリ穴が開いてしまいました

まさかと。余命宣告を受けたら余命は全うするもの、と僕は思い込んでいたからです

 

 

マンネリ化した小説界に一石を投じるようなストーリー。それが余計にリアルっぽく感じました

 

根暗男子が女の子にデートに誘われたり、勝手に旅行に連れて行かれたり、現実味のない設定も有ったなか、 

 

そこに住野よるさんが伝えたかった事が有るのかもしれません。

 

 

日常がいつまでも続くと思うな

 

明日も命があると思うな、と。

 

 

 

「君の膵臓を食べたい」の意味(ネタバレ)

結局、なぜこんなタイトルを付けたのか? 

 

これはね、この小説を最後まで読んだら分かります。バチっとハマるわけです

 

この物語にタイトル付けるならこれしかないな」と。

  

 

個人的に解釈した「君の膵臓をたべたい」に込められた意味、要素を載せておきます

 

 

 

要素① 桜良の生への執着心

「体の悪い部分と同じ部位を食べたら病気が治る」という迷信から、桜良が春樹に「君の膵臓を食べたい」と言い放った場面がある。

 

 

要素②「爪の垢を煎じて飲みたい」の言い回し

 

爪の垢を煎じて飲むとは...

すぐれた人の爪の垢を薬として飲みでもして、その人にあやかるように心がける。立派な人の言行を少しでもまねる。

引用元:爪の垢を煎じて飲むとは - コトバンク

    

要素②-1桜良渾身の自虐ネタ

桜良の明るい性格が反映されている。

日記で春樹に対して「君の膵臓を食べたい」と語る場面があるが、自分が膵臓の病気である事すらネタにしてしまっている(健気すぎて本当に泣きそうだった...)

 

 

要素②ー2 春樹なりの文学的な表現

読書家の春樹の性格も反映されている。 

「爪の垢を煎じて飲みたい」という旨をメールで伝えるときにこのような言い回しをした。彼なりのユーモア、文学センスが受け取れる

 

 

最終的には、お互いが尊敬し憧れるあう仲になります

 

お互いが「君の爪の垢を煎じて飲みたいよ」と思うわけです

 

君の膵臓を食べたい、まさにこの物語にぴったり。住野さんによれば、この言葉からストーリーを着想したそうだから、そうなるのは当然かもしれないですね

 

意味を自分なりに見つけだした時には、脳内の快楽物質がぶぁわーって出てきた感じがしましたね。これまでに無かった読後感でした。住野さん本当にすごいっす

 

 

何を伝えたい小説だったのか

メッセージ性なんて無いのかもしれませんが、少なくとも僕には感じた事があります

僕が感じたのは、

 

あなたにとって生きる喜びとは何か?」という問いかけでした

 

また「死を自覚しろ」というメッセージも有ったのかなと思います

 

いわゆるキュンキュンする恋愛話ではなく、人間ドラマに近い。だから自分なりに解釈できるところは多いですね

  

 

【検証】2人の旅行先は福岡!?

二人は「日帰りでいくような所ではない」場所に旅行しますが、もうこれ完全に、我が福岡なんですよね。(作中では明言されていない)

 

 

  • 夕食にもつ鍋・・・福岡名物
  • 学問の神様が祀られている神社・・・太宰府天満宮
  • とんこつラーメンの本場・・・福岡
  • 川を囲むように作られた赤く巨大な商業施設・・・キャナルシティ

 

  • 発砲事件が多い物騒な県・・・福岡(確信)

 

 

 

やかましいわw

 

 

 

たしかにヤ◯ザも多いけど!

 

夜中に銃声が聞こえることも有ったけど!!

 

なんだよ「物騒な県」て、もっと柔らかい言い方あるでしょうに

 

 

でも正直読んでて笑いました。住野さんのそういうとこ好きだわぁ

 

 

『君の膵臓をたべたい』あとがき

比較的ライトで分量も少なく、会話文が多いので読みやすかったです

 

読んで損はしないと思います。僕が唯一読んで泣いた小説ですから!

心からオススメできる作品です。本当に!

 

住野よるさんの爪の垢を煎じて飲みたいね!